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公判前整理手続 証拠開示命令02
 裁判所は検察官に対して証拠開示の対象となるものか判断するためにメモの提示を命ずることができるか?
警察官が私費で購入した私物ノートに記載されたメモは開示の対象になるか?

刑訴316条の26,316条の27,犯捜規13
最決H20/06/25 判タ1275号89頁,判タ1282号60頁,判時2054号198頁

「警察官が捜査の過程で作成し保管するメモが証拠開示命令の対象となるものであるか否かの判断は裁判所が行うべきものであるから,裁判所は,その判断をするために必要があると認めるときは,検察官に対し,同メモの提示を命ずることができる・・・」「本件メモは,本件捜査等の過程で作成されたもので警察官によって保管されているというのであるから,証拠開示命令の対象となる備忘録に該当する可能性があることは否定することができない・・・」

上記は覚せい剤の自己使用事件において,期日間整理手続に付された事案です。争点は,尿提出までの警察官の被告人に対する行為の適法性であり,弁護側は主張関連証拠として警察官らの作成したメモの開示を請求しましたが,検察側は「個人的メモ以外は不存在」として争いました。
福岡地裁は,開示を命令。検察側は即時抗告。
福岡高裁は,即時抗告を棄却。検察側は特別抗告。

上記は,平成19年12月25日の最高裁決定を前提に判断されたものです。ただ,その判例では公文書という観点から判断されていたため,私費で購入されたノートで専ら自己の使用に供されているという主張が出てきたことから,これも開示対象になるという判断をしたものです。

そうすると,今度は「備忘録を一切作成しなかった」という言い訳がありうるところですが,それについては,犯捜規13条があるのに警察官が備忘録を一切作成しなかったという事実は,その警察官に対する証人尋問の証言の信用性を大きく損なうのではないかという方向を示した裁判例もあります(大阪地裁H20/03/26判タ1264号343頁)。
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