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公判前整理手続 証拠開示命令01
 開示すべき証拠は検察官手持ちのものに限るか?

刑訴316条の26,316条の27,犯捜規13
最決H19/12/25 判タ1282号60頁,判時2054号198頁

「検察官が現に保管している証拠に限られず,当該事件の捜査の過程で作成され,または入手した書面等であって,公務員が職務上現に保管し,かつ,検察官において入手が容易なものを含むと解するのが相当である。・・・取調警察官が,同条(犯捜規13)に基づき作成した備忘録であって取調べの経過その他参考となるべき事項が記載され捜査機関において保管されている書面は個人的メモの域を超え,捜査関係の公文書である。これに該当する備忘録は,当該事件の公判審理において当該取調べ状況に関する証拠調べが行われる場合,証拠開示の対象となりうる。」

上記は偽造通貨行使事件について,期日間整理手続に付された事案である。弁護側は警察官の取調べにおける自白の任意性を争い,この主張に関連する証拠として「被告人に係る警察官の取調メモ・取調小票・調書案・備忘録等」の開示を請求しました。
東京地裁は,弁護側の請求を棄却。弁護側は即時抗告。
東京高裁は,地裁決定を変更して取調メモ等の開示を命令。検察側は特別抗告。

上記最高裁決定は,まず,開示対象は「検察官が現に保管しているもの」に限られると解されていたものについて,それに限られないとして開示範囲を拡大したと解されるものです。次に,警察官の作成した備忘録〜取調メモは,私的メモ(個人的なメモの類)にあたるとして開示の対象外とされていたものについて,捜査関係における公文書という見方ができるということから開示対象とした点に意義があります。

上記については,条文の文言を超えるのでは,拡大された範囲の限界が不明ではないかとの批判もあるところですが,平成20年6月25日の最決は,開示対象の判断は裁判所に属するとも述べていますので,弁護側としては,これに関連しそうな事案では,この制度を活用し裁判所の判断を仰ぐべきということになるかと思います。
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