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小規模個人再生01
 小規模個人再生の決議において再生計画案が否決され再生手続の廃止決定がなされた後に反対債権者から同意が得られた場合には,その再生手続廃止決定を取消すことができるか?

民事再生172条の5,230条6項,237条1項
東京高裁平成21/03/17決定 判タ1318号266頁

「・・小規模個人再生手続においても,通常再生手続であれば,決議のための債権者集会を続行することができるだけの債権者の同意が得られており,また,決議後遅滞なく,決議において不同意の意思を表明した債権者全員から再生計画案に同意する旨の意見が表明されており,かつ,再生計画案の不認可事由が認められないような場合には,再生手続開始決定に対する即時抗告審において,その後の事情を踏まえて,再生計画案の認可を可能とすべく,再生手続廃止決定を取消すことができるものと解する・・」

事案は,簡単に言うと次のとおりです。
債権者4名の小規模個人再生事件において,一般債権者の1名(議決権額の2分の1を超える)が再生計画案に同意しない旨の回答をしたため,再生裁判所は,再生手続廃止決定をしました。その後,申立代理人の説得等によって当該債権者は不同意の意思表示を撤回し,再生手続の進行を希望する旨の上申書を交付しました。これを受けて,申立人が廃止決定に対する抗告を申立てたという事案です。

通常の再生手続においては,平成14年改正によって債権者集会と書面決議を併用する方法が新設され,この方法がとられた場合には,決議において再生計画案が否決されても,過半数の債権者または議決権額の2分の1以上の同意がある場合には,手続を続行して再決議をすることができることとなりました。ところが,小規模個人再生では,書面決議の方法しか採用されていないため,再度の決議の方法がないのです。そこで,本決定は,上記のように判断して,手続の不備を補ったものです。

法律上の不備のある部分であり,通常であれば「法律上しかたない」で終わってしまう問題ですが,申立代理人ががんばり,裁判所もこれを正面から受け止めてくれたものだと思われます。実務上とても考えさせられる事例ですし,参考になります。
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民事再生 担保権消滅制度01
 担保権消滅制度は販売用財産にも活用できるか?

民事再生148条1項
東京高裁平成21年7月7日決定 判時2054号3頁

再生債務者は,土地付き戸建分譲,マンション分譲及び不動産賃貸等の事業者であるが,民事再生手続において,販売用土地に設定されている銀行の抵当権の消滅許可の申立てを行い裁判所はこれを認めたが,銀行はこれを不服として即時抗告した事案。

典型的には「製造業者であってその工場の土地・建物に担保権が設定されている場合や,小売業者であって店舗の土地・建物に担保権が設定されている場合」とされますが,上記のような業者の販売用財産についても,これを認めて法的バランスを失しないのかが問題となるのでしょう。

「担保権消滅許可の制度は・・担保権者の利益と事業再生の目的及び一般債権者の利益との調整を図ることとしたものである。・・事業継続不可欠要件を充たす財産とは,担保権が実行されて当該財産を活用できない状態になったときには再生債務者の事業の継続が不可能となるような代替性のない財産であることが必要である。」
「本件土地は販売用財産であって,上記の典型例のように継続して使用する財産ではないところ,こうした財産にあっても,事業継続不可欠性要件を充たすといえるかが問題となる。この場合,再生債務者の事業形態には様々なものがあるから,その事業の仕組に即して当該財産が事業継続性不可欠性要件を充たすものか検討することが必要となる。」
「本件においては・・事業は戸建住宅の分譲であるところ,事業の仕組みとして・・一連の事務の流れが構成されており,その中で分譲すべき戸建住宅の敷地に担保権を設定し消滅させることが織り込まれているのであって,担保権者もこれを了解している。このような場合,敷地に設定された担保権の消滅なくしては戸建住宅を通常の不動産市場で売却して利益を得るという事業の仕組みそのものが機能しなくなり,結局,事業そのものが継続できなくなる蓋然性が高い。」

時々,再生がらみでは問題になる論点ですね。一つの方向性を示しており実務上有益だと思います。ちなみにこの決定の裁判長は加藤新太郎さんです。
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